「家を建てるなら、何歳くらいがベストなんだろう?」
注文住宅を考え始めると、こんな疑問を持つ人は多いと思います。
20代なら住宅ローンを長く組めますが、収入や貯蓄はまだ少ないかもしれません。反対に40代・50代になると資金には余裕が出やすいものの、住宅ローンの返済期間が気になります。
私は固定資産税の仕事をしていた頃、700棟以上の新築住宅を実際に見てきました。
その経験から感じたのは、「○歳が絶対に正解」という年齢はないものの、30代前後、特に子どもの進学など生活が大きく変わる時期に家を建てる人が多いということです。
この記事では、公的なデータと私が実際に新築住宅を見てきた経験から、家を建てる年齢について考えてみます。
家を建てる年齢は何歳がベスト?
結論からいうと、家を建てるベストな年齢は家庭によって違います。
ただし、次の3つを考えると、自分に合ったタイミングを判断しやすくなります。
- 住宅ローンを何歳まで返済するか
- 子どもの入園・入学など家族のタイミング
- 将来必要になる部屋数や暮らし方
単純に「若いうちに建てれば得」というわけでも、「お金が貯まるまで待てばいい」というわけでもありません。
現在の生活だけでなく、10年後、20年後まで考えて決めることが大切です。
実際に家を建てる人は30代が最も多い
国土交通省の「令和6年度住宅市場動向調査」によると、新築の注文住宅を建てた世帯主の年齢は次のようになっています。
- 30歳未満:13.2%
- 30代:43.7%
- 40代:18.6%
- 50代:10.1%
- 60歳以上:14.0%
平均年齢は42.1歳ですが、最も多いのは30代です。
私が固定資産税の担当として新築住宅を見ていたときも、感覚的には30歳前後から30代の人がかなり多かったです。
もちろん40代や50代で新築する人もいましたし、親の家を建て替えて二世帯住宅にするケースなどでは、さらに年齢層が上がることもありました。
30代で家を建てるメリット・デメリット
30代が多い最大の理由の一つは、住宅ローンと家族のタイミングのバランスが取りやすいことでしょう。
30代のメリット
- 35年など長期間の住宅ローンを組みやすい
- 定年前までに多くの返済を進められる
- 子どもの成長に合わせて間取りを考えやすい
- 賃貸住宅に支払う期間を短くできる
例えば35歳で35年ローンを組めば、完済は70歳です。
繰り上げ返済などを利用すれば、定年前後までに残高をかなり減らすことも考えられます。
30代のデメリット
一方で、30代は教育費などこれから出費が増えていく年代でもあります。
住宅ローンを限界まで借りてしまうと、子どもの進学時期に家計が苦しくなる可能性があります。
「借りられる金額」ではなく、将来の教育費や生活費を含めても返せる金額で考えることが重要です。
40代で家を建てるのは遅い?
40代から家を建てても、決して遅すぎるわけではありません。
むしろ30代より収入や貯蓄が増え、子どもの人数や将来の生活も見えているため、現実的な家づくりがしやすいというメリットがあります。
ただし注意したいのが住宅ローンです。
例えば45歳で35年ローンを組めば、単純計算では完済時は80歳になります。
実際には金融機関ごとに申込年齢や完済時年齢などの条件が設定されているため、希望する年数を借りられるとは限りません。
40代で建てる場合は、頭金を増やしたり、借入額を抑えたりするなど、老後まで住宅ローンを残しすぎない計画が重要になります。
50代から家を建てるのは遅い?
50代で注文住宅を建てる人も珍しくありません。
子どもが独立したあとに夫婦二人で暮らす家を建てたり、古い住宅を建て替えたりするケースがあります。
この年代では、若い頃とは家に求めるものも変わります。
- 平屋にする
- 階段をできるだけ使わない
- 寝室とトイレを近くする
- 掃除や管理のしやすい広さにする
といった、老後まで暮らしやすい間取りを考えることが重要になります。
若い頃の「広い家が欲しい」という発想だけではなく、将来管理できる家かどうかまで考えたいところです。
子どもの小学校入学前も家を建てる大きなタイミング
私が多くの新築住宅を見てきた中で、家を建てるきっかけとして特に多いと感じたのが子どもの小学校入学前です。
家を建てる場所によって学区が変わるため、小学校に入ってから引っ越すより、入学前に新居へ移りたいと考える家庭が多いのでしょう。
この場合、入学直前に住宅会社を探し始めるのでは間に合わない可能性があります。
土地探し、住宅会社選び、間取りの打ち合わせ、住宅ローン、工事などには時間がかかるため、余裕を持って動く必要があります。
住宅ローンは「何歳まで借りられるか」より「何歳まで返すか」が大切
家を建てる年齢を考えるうえで、住宅ローンは避けて通れません。
例えばフラット35では、原則として申込時70歳未満が条件ですが、借入期間は最長35年かつ「80歳-申込時年齢」で計算されます。
だからといって、70代や80歳近くまで住宅ローンを返済する計画が安心とは限りません。
定年後は収入が減る可能性があります。
そのため、家を建てるときには、
- 何歳で完済する予定なのか
- 定年時点で住宅ローンはいくら残るのか
- 教育費と返済時期が重ならないか
- 老後資金を残せるか
まで考えておくことをおすすめします。
親の定年や実家の建て替えがきっかけになることもある
私が固定資産税の仕事をしていたときには、親世代の家を建て替えて二世帯住宅にするケースもよく見ました。
親が定年を迎えたタイミングで、古くなった実家を建て替え、子ども世帯と一緒に暮らすというパターンです。
土地を新たに購入する必要がなければ、土地代を抑えられるというメリットもあります。
一方で、二世帯住宅は間取りや名義、費用負担など、普通の住宅とは違う点も多いため、家族でしっかり相談しておく必要があります。
家を建てるなら年齢より「10年後・20年後」を考えよう
固定資産税の仕事で多くの住宅を見て感じたのは、建てた直後だけを考えて家を決めないほうがいいということです。
例えば、小さな子どもがいるときには子ども部屋が重要ですが、20年後には使わなくなる可能性があります。
反対に、若いうちは気にならなかった階段が、年齢を重ねると負担になることもあります。
家を建てるときには、
- 子どもが独立したあとの部屋をどう使うか
- 夫婦二人になっても管理しやすい広さか
- 年齢を重ねても生活しやすい間取りか
まで考えておくと、長く住みやすい家になります。
家を建てようと思ったら複数の住宅会社を比べてみる
「そろそろ家を建ててもいいかな」と思ったら、いきなり1社に決める必要はありません。
住宅会社によって価格帯、標準仕様、得意な間取り、住宅性能などはかなり違います。
まず複数の会社を見比べて、自分たちがどのくらいの予算で、どんな家を建てたいのかを整理するところから始めるとよいでしょう。
住宅会社探しに使えるサービスについては、次の記事で5つに絞って比較しています。
注文住宅の資料請求・住宅会社比較サイトおすすめ5選|目的別に使い分けよう
まとめ|家を建てるベストな年齢は家庭によって違う
家を建てるのに「絶対に○歳がベスト」という答えはありません。
ただ、実際には30代で新築注文住宅を建てる人が多く、住宅ローンの返済期間や子どもの成長を考えても、家づくりを検討しやすい年代といえます。
一方、40代や50代には、収入や貯蓄、将来の家族構成が見えやすいというメリットがあります。
大切なのは年齢だけで判断せず、
- 住宅ローンを何歳まで返すか
- 子どもの進学など家族の予定
- 10年後・20年後にどんな暮らしをしているか
を考えることです。
注文住宅は、一度建てると簡単にはやり直せません。
「今なら建てられるか」だけではなく、この家で将来も無理なく暮らせるかという視点で、家づくりのタイミングを考えてみてください。

