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【元役人が教える】注文住宅の税金を安くするために知っておきたい知識

税金
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できる限り払う税金を抑えたいのは当然です。

いくつか役立つ知識をお伝えします。

280㎡以上の家を建てない。

固定資産税には新築軽減措置というものがあります。

建物の税金が一番高い最初の3年間か5年間、120㎡分までを半額にする制度です。
(※通常は3年間。5年間は長期優良住宅の場合です。)

この新築軽減の特例を受けられるのは床面積が50㎡以上280㎡以内の住宅に限ります。

なので、280㎡以上の家を建ててしまうと軽減が受けられない上、高い税金を払うことになります。

大きな家を建てるのが夢だったとか、余程のお金持ちの方以外は避けたほうがいいでしょう。

なお、120㎡以上の床面積の家を建てても、280㎡以内であれば大丈夫です。

例えば150㎡の家を建てても、120㎡分までは新築軽減の特例が受けられます。

30㎡分のみは軽減なしの税がかかってしまいますが。

大きな家

240㎡以上の家を建てない。

先述しました280㎡以上の床面積の家を建ててはいけないというのは、固定資産税の新築軽減に関する話です。

建物にかかる税金としてもうひとつ不動産取得税というものがあります。

こちらは市町村がかける固定資産税ではなく、都道府県がかける税です。

固定資産税は毎年かかりますが、こちらは新築した際に一度だけかかる税金です。

住宅の場合、評価額の3%が税金となります。

この不動産取得税にも軽減措置があります。

建物の評価額から1,200万円分(長期優良住宅の場合は1,300万円分)を引けるという軽減です。

例えば長期優良住宅ではない家で1,500万円の評価が出た場合、ここから1,200万円を引き、残りの300万円に対して3%の税がかかります。

300万円の3%で9万円の税金となるわけです。

もし軽減が受けられないと1,500万円そのものに3%の税がかかるので、一度だけとはいえ45万円もの税金がかかってしまいます。

これは馬鹿にならない金額です。

非常にまぎらわしいのですが、この不動産取得税の新築軽減の特例を受けられる面積は50㎡以上240㎡以内となっています。

固定資産税の新築軽減は280㎡までですが、不動産取得税の新築軽減は240㎡までです。

なので、できるだけ税金の負担を減らしたいと思うなら280㎡以内というより、240㎡以内に抑えることをおすすめします。

特に大きな家にこだわらないのであれば、120㎡以内に抑えるのが無難でわかりやすいでしょう。

ロフトや屋根裏収納庫は高さを1.4m以下にする。

2階より上にロフトや収納庫を作る方もおられるでしょう。

収納スペースとして便利です。

このとき部屋の高さを1.4m以下にすると、その部分は部屋とみなされず、評価の対象となりません。

登記面積にも加えられず、税額に反映しません。

ただし、固定資産税は市町村によって独自の評価がされてきた歴史的経緯があるので、市町村によってはなんらかのポイントを取る可能性はあります。

その他工事表

上記の表(画像は拡大できます)は木造家屋の評価に関する「その他工事」の点数を記したものですが、「雑工事」欄の横に「施工の程度」という欄があります。

「雑工事」というのは、住宅には必ず雨戸や樋などがありますので、それらをまとめて全体の4%として計算し、取り扱っているものです。

通常は「普通のもの」として取り扱うのですが、ロフトのような特殊な設備があると、この部分を「程度の良いもの」として評価する市町村があります。

バルコニーを跳ね出しにしない。

先程の表に「バルコニー 48,270点」とあったのに気づかれた方はおられるでしょうか?

これはバルコニーの面積1㎡あたり48,270点のポイントを取るという意味です。
(※絶対にポイント=円というわけではないのですが、ここでは便宜上同じとして説明しています。)

跳ね出しバルコニーというのは、下の図の右側のような建物から飛び出した形で作られているバルコニーです。

跳ね出しバルコニー

1階の部屋の上に屋根として作られているバルコニーは1階の屋根として扱われます。

しかし、下に部屋のない跳ね出しバルコニーは施工が少し難しいということで、別途ポイントが付きます。

大体3.3㎡くらいのバルコニーが多いのですが、この場合48,270点×3.3㎡で159,291点のポイントとなります。

固定資産税の税率は1.4%ですから計算すると2,230円分くらいの税額がプラスされますね。

大きいと見るか、小さいと見るかは人それぞれかと思いますが、できるなら避けたいですね。

ただし、跳ね出しバルコニーがあると、屋根代わりになって、便利なこともあるかもしれません。

また、跳ね出しバルコニーよりも1階の床面積が増えるほうが評価額が高くなる可能性は高いですから、そこは考え方ひとつです。

設備を後付けにする。

固定資産税の家屋評価(調査)は新築時の一度だけです。

後に増築などされればその部分だけ見に行くこともありますが、元の建物に対しての評価額が変わることはありません。

ということは、固定資産税の担当者が家屋評価に行った際に存在しなかった設備については評価対象になりません。

極端に言えば、床暖房や全館空調システムでも家屋評価時になければ評価されません。

固定資産税をとにかく安くしたいのだったら、後で設置するという手もあります。

しかし、現実的にはリフォームをするようなものですから、最初から設置するより工事費がかかるかもしれません。

安くなる分の固定資産税より、工事費のほうが高くなってしまうと笑い話になってしまいます。

車のカーナビなどもそうですが、後付けでいろいろ付けると不格好になることもあります。

実体験から言うと、調査に行った時点でまだ外構が完成しておらず、ドアホンがなかったのでポイントを取らなかったことがありました。

玄関の床にまだタイルが貼られていなかったので、モルタル床として安く評価した経験もあります。

ただし、これは各市町村によって考え方が違うかもしれませんのであしからず。

なお太陽光パネルですが、屋根そのものがパネルだと高くなりますが、例えば瓦屋根の上にパネルが後付で設置されている場合はポイントを取らないのでお得になります。

屋根がソーラーパネルぶきだと結構高くなりますので、これは覚えておいてください。

見えないところの仕上げを簡単なものにする。

例えばクローゼットの中や押入れの中など、外から見えないところまでクロスやフローリングを貼る必要はあるのでしょうか?

内壁や天井に仕上げをせず、石膏ボードやケイカル板がむき出しなら、少し評価が安くなります。

床もフローリングを貼らず、仕上げなしにしておけば安いです。

まとめ 床面積は特に気をつけましょう

ロフトに関することや、後付けに関することは市町村によって考え方が違うのでなんとも言えませんが、床面積要件だけは重要なので絶対に気をつけてください。

家屋の床面積はできる限り240㎡以下にすることをおすすめします。

なかなかそんな大きな家を建てられる方はおられませんが……