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【元役人が教える】新築住宅の家屋評価(調査)/担当者は何を見ている?

家屋調査 税金
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新築住宅を建てると必ず役所の固定資産税担当者による家屋評価(調査)が行われます。

市町村によって若干やり方は違いますが、一般的な手順と役所の担当者が家のどんなところを見ているかをお伝えします。

まずは家屋評価依頼から

役所の担当者は法務局から届く登記の写しや、普段から地域を見回ることによって家の完成具合を確認しています。

所有者がすでに住んでいるなと判断したら、家屋評価依頼の手紙を送ります。

直接チャイムを押して、その場で調査員証を見せ、依頼文書を渡す役所もあります。

一度お互いに顔を見せ合っておくと、調査の日にスムーズになりやすいので。

ですが、実際は手紙のところが多いかと思います。

こういうご時世ですから、なかなかチャイムを押しても出てもらえない家が多いですからね。

あらかじめ役所側が日時を指定しておいて都合が悪い場合は連絡をくださいというパターンと、都合の良い日時を連絡してくださいというパターンがあります。

最近は前者が多いです。

日時が決まっているほうが会社を休みやすいという方が多いのと、希望する日が重なることが多いからです。

基本的に土日は休みで、平日の勤務時間内の対応になります。

もしかすると、土日OKの役所もあるかもしれません。

しかし、そこまでするとほとんどの家主が土日を指定するでしょうから、していないところの方が多いと思います。

時間については若干融通をきかすようにし、日の長い夏場なら夜の7時くらいまで対応することもありました。

暗くなると、外壁などが見えにくくなるのと、外にある給湯器を見るのに家の裏に回るのですが、その際何かを壊しかねないので避けていました。

このあたりはご理解ください。

評価当日、まずは図面の確認から

図面

決まった日時に役所の担当者が訪問します。

二人で訪問するのが基本的です。

調査員証や名札を必ず見せますから確認してください。

あらかじめ送付された案内文書に「図面を用意しておいてください」と書いてあるはずです。

職員は持ち込んだハンディコピー機で図面をコピーをするか、タブレット端末、デジカメなどで写真を撮り、図面の必要箇所を取得します。

必要箇所というのは、家の平面図や立面図、各部屋の壁、床、天井にどのような材料が使われているかという一覧表、設備のサイズなどが書かれた一覧表などです。

このあたりは住宅メーカーによって一覧表があったり、なかったりするので若干違いはあるかもしれません。

コピー機を動かすために電源を貸してくださいとお願いをしたら快く貸してやってください。

事前に登記の書類から平面図や立面図を手に入れている役所もあります。

税金の簡単な説明

ひとりが図面を確認している間、もうひとりの担当者が税金の説明をするのが基本です。

固定資産税や不動産取得税、都市計画税に関する説明をします。

ただし、細かいところまで話をするとかなり長くなるので、基本的な内容をかいつまんで説明する形になるのがほとんどです。

細かいところは小冊子などを置いていくので読んでおいてくださいとなるでしょう。

説明の最後、書類のいくつかにサインをくださいとお願いするでしょうから署名をお願いします。

各部屋の調査

調査

説明などが終わるといよいよ家の中に入らせていただき、各部屋の調査を始めます。

各部屋の壁、床、天井に使われている材料の確認をします。

いわゆる仕上げと呼ばれる一番表面の部分の材料です。

壁や天井ならクロス張りだとか、床ならフローリングか畳かという具合です。

また、役所によっては各部屋の扉や窓の大きさを測ります。

平成30年度基準から役所や家主の負担軽減のため、窓や扉の大きさを測らなくても良い方式となったのですが、過去のやり方で引き続き行っている役所もまだ多いようです。

クローゼットや押し入れの中なども材質を確認することになっています。

寝室などのプライベート空間にも立ち入ります。

どうしても見られたくない部屋がある場合は、あらかじめ申し出てください。

ただし、その部屋の壁、床、天井の仕上材料を教えてくださいという話になりますから、あらかじめ確認しておくか、その場で自分で見て答えてください。

設備の確認

システムキッチンの横幅の長さ、洗面台の横幅の長さを測ります。

いずれも短いほど税額としては安くなります。

トイレの数の確認もします。

風呂に浴室乾燥機はあるか、床暖房や全館空調はあるか、あるなら対象となる部屋はどれかという確認をします。

換気の方法も尋ねます。

第一種換気か第三種換気かという具合です。

オール電化か、そうでないかの確認もします。

それによって電気式給湯器かガス式給湯器のどちらを使っているか確認しています。

給湯器の容量(大きさ)も確認します。

給湯器は家の外にありますから、最後に家を出てから見ることが多いと思います。

家屋評価の終了

全部屋を確認すれば終了です。

担当者たちはお礼を言って立ち去ります。

その際、先述したように外にある給湯器の容量を調べるのと、外壁の材料を調べるため家の周囲を確認させてくださいとお願いをすることが多いです。

役所によっては外から見た家の写真を数枚撮ります。

外壁の材質や屋根の形なども重要ですので。

調査自体は調査方法や家の規模にもよりますが、大体2,30分で終わるのが目安です。

調査の拒否はできる?

✕印

できません。

担当者たちは家に調査のため立ち入りする権限を持っており、これを拒否すると罰則があります。

かと言って罰せられた人を見たことはありませんが……

しかし、例年どうしても仕事が忙しくて平日に時間がないとか、あるいは約束した時間に到着しても留守という家があり、最後まで会えない家主もいます。

どうしても忙しいから無理という場合、仕事の昼休みにでも役所へ電話を入れてください。

役所側はそれなら図面のコピーなどを提供してくださいとお願いするはずです。

提供された資料を元に計算をします。

役所側は税金の簡単な説明書や署名してほしい書類、返信用封筒を同封して依頼文を送付しますので、必要書類を揃えて返送してやってください。

図面についてはハウスメーカーの担当者などから届けてもらうと楽かもしれません。

提供される図面資料が少ないと正確な計算を役所側はできませんので。

なお、徹底的に無視をしても無駄です。

調査をされなかったから、固定資産税がかからないということはありません。

その場合、役所側は返事がないなら同じメーカーの家や同じくらいの床面積の家を参考にして計算を行います。

新築住宅を実際見ての計算ではないですから不正確です。

不正確なので逆に安くなる家もあるかもしれませんが、長年かかる固定資産税額を曖昧に決められるのは納得いかないのでは?

できるだけ家屋評価は受け入れてください。

家の中まで入らない場合も

新型コロナウイルスの流行により、家の中まで立ち入らないやり方の役所も増えています。

玄関ホールなどのスペースを借りて図面を見させてもらい、どんな設備があるかということを聞き取りで済ませているようです。

このとき、そんな設備はないと言い切れば誤魔化せる可能性もありますが、図面資料から設備の有無を読み取る能力を役所側も持っていますので正直に答えることをおすすめします。

湯茶などは出すべき?

不要です。

それによって評価が甘くなるわけではありません。

まあ、職員側も悪い気はしないでしょうが……

お茶などを出してもらったら、せっかく入れてくださったということでいただくことはありました。

ですが、一切もてなしなどは不要です。

せめて友好的に協力してやってください。
それだけで十分です。

評価内容はどう計算される?

計算

担当者は持ち帰った資料を元にシステムで積算をします。

今の時代、どこの役所でもシステムを導入しているはずです。

平面図をシステムで描き、壁の高さや面積、各部屋の材質などを入力すれば積算できる仕組みになっています。

窓や扉の大きさを入力すれば、壁の面積から引かれる仕組みになっているので、窓や扉の大きさを測っているのです。

設備についてはトイレひとつで何ポイントという感じで積み上げていくようになっています。

結果は役所にもよりますが翌年の4月か5月に通知されるので楽しみに待ちましょう。

まとめ 役所によって微妙にやり方は違う。

固定資産税は市町村がかける税金であり、平成の時代に入ってからある程度国が統一基準を示したという経緯があります。

そのため、市町村によって若干評価方法や見るところが違う場合があります。

各市町村で伝統的に見ているポイントがあったりするわけです。

この記事に挙げたのはあくまで一例と考えてください。