新築の注文住宅を計画中の方の中には、「廊下って本当に必要なの?」「廊下をなくして居室を広くしたほうが良いのでは?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
SNSや住宅系YouTubeなどでも「廊下はスペースの無駄」といった意見を見かけるようになり、廊下のあり方は時代とともに変化してきています。
そこでこの記事では、廊下のメリット・デメリットを整理し、「廊下は本当に無駄なのか?」を真剣に考えてみたいと思います。暮らしやすい家を実現するために、廊下の役割や活用方法を見直してみましょう。
廊下のメリットとは?
1. プライバシーを確保できる
廊下があることで、各部屋が独立性を保ちやすくなります。
特に思春期のお子さんや、在宅ワークをしている家族がいる場合、部屋同士がリビングを通らず行き来できるのは大きな利点です。
家族の気配を感じながらも、適度な距離感を保てるのは廊下の重要な役割です。
2. 音や視線を遮る
リビングと個室の間に廊下があることで、音が伝わりにくくなります。
深夜にリビングでテレビを見る場合や、家族が起きている時間帯に早く寝たい人がいる場合でも、音や光が気になりにくくなります。
また、来客時にリビングを通らずにトイレに行けるなど、視線を意識せずに移動できるのもポイントです。
3. 動線を整理しやすい
廊下があることで、生活動線が明確になります。
キッチン→洗面所→浴室や、玄関→各部屋へのルートが分かれていることで、混雑を避けられます。
動線がスムーズになると、日々の家事や生活のストレスも減りやすくなります。
4. ギャラリーや収納スペースとしても活用可能
幅にゆとりのある廊下であれば、壁面収納を設けたり、家族写真やアートを飾ったりといった“見せる廊下”として活用することも可能です。
廊下を単なる通路ではなく、家全体のデザインの一部として捉えることで、住まいの魅力がアップします。
廊下のデメリットとは?
1. 有効スペースが減る
廊下は基本的に通行のためのスペースであり、家具や家電などを設置することはできません。
そのため、同じ床面積でも、廊下がある家とない家では、居室に使えるスペースに差が出てきます。
土地が限られている場合は特に、廊下の広さや配置を工夫しないと、「無駄が多い家」となってしまうリスクがあります。
2. 建築コストが上がる可能性
廊下には床材・壁材・照明などが必要になります。
また、部屋ごとにドアを設ける必要もあるため、材料費や施工費が増加します。
極端に言えば、廊下の数メートルを減らすだけで、建築費が抑えられることもあります。
3. 冷暖房効率が下がることも
廊下があると、冷暖房の空間が分断されることがあります。
例えば、廊下を挟んでリビングと寝室が離れている場合、空調が届きにくく、効率が悪くなることも。
断熱や空気の流れを意識した設計をしないと、結果的に光熱費がかさむ原因にもなります。
廊下なし住宅という選択肢
近年は「廊下のない家」も増えています。
リビングから各部屋に直接アクセスできる間取りで、空間を無駄なく使えるのが最大の魅力です。
廊下なし住宅のメリットとしては、
- 床面積を最大限に有効活用できる
- 家族間のコミュニケーションが自然と増える
- 建築コストや冷暖房コストを抑えやすい
といった点があります。
一方で、プライバシーの確保が難しいことや、音・視線の問題が起こりやすい点には注意が必要です。
家族構成やライフスタイルによって、向き・不向きがあると言えるでしょう。
結論:廊下は「無駄」ではなく、暮らし方次第で価値が決まる
廊下がある家には確かなメリットがあります。
プライバシー、動線、快適性といった面で、生活の質を高めてくれる重要な存在です。
しかし同時に、スペースやコストの面ではデメリットも否定できません。
つまり、廊下の有無は一概に「正解」があるわけではなく、自分たちの暮らし方に合っているかどうかが判断のポイントです。
家族の人数、ライフスタイル、土地の広さ、予算などを総合的に考えて、後悔のない選択をすることが大切です。
廊下を上手に活用すれば、「無駄なスペース」どころか、「住み心地の良さを高める空間」へと変えることも可能です。
設計段階でしっかりと検討し、自分たちにとってベストな間取りを実現しましょう。
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