「どのハウスメーカーで建てるか」を決めるとき、多くの人が間取りや外観、価格帯を比較します。しかし、見落とされがちな重要な視点があります。それが「標準仕様の材料が固定資産税にどう影響するか」です。
固定資産税担当者として700件以上の新築住宅を調査してきた経験から言うと、同じような大きさの家でも、ハウスメーカーによって標準仕様の材料グレードが違うため、固定資産税の評価額に差が出ます。
この記事では、主要ハウスメーカーの標準仕様を固定資産税の観点から比較します。他のブログでは絶対に読めない切り口です。
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目次
- 固定資産税の評価額は「材料の評点数」で決まる
- 床材で比較:フローリングの種類と評点数の関係
- 内壁で比較:クロスのグレードと評点数の関係
- 外壁で比較:タイル・サイディング・コンクリートの差
- 見落とされがちな盲点:建築設備も評価額に影響する
- 主要ハウスメーカー別:固定資産税の観点からの総評
- 固定資産税を意識した選び方のポイント
- まとめ
固定資産税の評価額は「材料の評点数」で決まる
まず前提として、固定資産税の評価額がどう決まるかを簡単に説明します。
新築住宅の固定資産税は、総務省が定める「再建築費評点基準表」をもとに評価額が算出されます。この基準表には、住宅に使われる材料ごとに「評点数」が設定されており、評点数が高い材料ほど評価額が上がり、固定資産税が高くなります。
重要なのは、同じ「フローリング」でも材料の種類によって評点数が大きく違うということです。例えば内壁の仕上げ材で言えば、一般的なビニールクロスは評点数が低く、石材系の高級仕上げは評点数が非常に高くなります。
つまり、標準仕様に高グレードな材料を採用しているハウスメーカーほど、固定資産税が高くなりやすいということです。これはカタログには一切書いていない情報です。
床材で比較:フローリングの種類と評点数の関係
床材は固定資産税の評価額に影響する重要な部位です。種類別の評点数の傾向は以下の通りです。
- シートフローリング(合成樹脂系):評点数が低い=固定資産税が安くなりやすい
- 突板フローリング(複合フローリング):中程度の評点数
- 挽板フローリング・無垢材:評点数が高い=固定資産税が高くなりやすい
各メーカーの標準仕様を確認すると、以下のような傾向があります。
積水ハウスは突板フローリングが標準仕様で、シートタイプと突板タイプから選べます。シートタイプを選べば評点数を抑えられます。
住友林業は1階(主要フロア)に挽板または突板フローリングが標準です。高品質な床材が標準というのは住み心地の面では魅力ですが、固定資産税の観点では評価額が上がりやすい仕様と言えます。
一条工務店はシートフローリング(モクリア・EBコートフローリングなど)が標準仕様の中心です。固定資産税の観点では評点数が抑えられやすい仕様です。
タマホームなどローコストメーカーは、シートフローリングが標準のケースが多く、固定資産税の評価額を抑えやすい傾向があります。
ただし注意点として、床材のグレードを下げると固定資産税は安くなりますが、住み心地や資産価値にも影響します。コストと税額のバランスを考えて選ぶことが重要です。
内壁で比較:クロスのグレードと評点数の関係
内壁の仕上げ材も評価額に影響します。ほとんどのハウスメーカーでは標準仕様として一般的なビニールクロス(壁紙)が採用されており、この場合は評点数が比較的低く抑えられます。
問題になるのは、オプションで塗り壁や石材系の仕上げを選んだ場合です。これらは評点数が大幅に上がります。標準仕様のままであれば、ほとんどのメーカーで内壁による評価額の差は大きくありません。
元担当者から一言:調査の経験上、内壁よりも床材と外壁の方が評価額への影響が大きいケースが多かったです。内壁のオプションアップより、外壁の材料選びに注意を払う方が節税効果は高いです。
外壁で比較:タイル・サイディング・コンクリートの差
外壁は材料によって評点数の差が最も大きい部位の一つです。
- 窯業系サイディング:評点数が中程度。最も一般的な外壁材
- 金属系サイディング(ガルバリウム):評点数が比較的低め
- タイル貼り:評点数が高い。固定資産税が上がりやすい
- プレキャストコンクリート:評点数が非常に高い
この観点で各メーカーを見ると:
積水ハウス(鉄骨系・イズロイエ)は「ダインコンクリート」というプレキャストコンクリートが標準外壁です。耐久性・デザイン性は非常に高いですが、固定資産税の評価額は高くなりやすい仕様です。
住友林業は木造で窯業系サイディングや吹き付け塗装が標準的。タイルや特殊外壁はオプション扱いが多いため、標準仕様のままなら評価額は比較的抑えられます。
一条工務店はタイル外壁を標準採用しているモデルが多いです。見た目の高級感はありますが、固定資産税の評価額は上がりやすくなります。
タマホームなどローコストメーカーは窯業系サイディングが標準で、評価額を抑えやすい仕様です。

見落とされがちな盲点:建築設備も評価額に影響する
外壁・床材に目が行きがちですが、固定資産税の評価には「建築設備」も加算評点として計上されます。これはカタログを見ているだけでは絶対に気づかない盲点です。
建築設備とは、住宅に組み込まれた設備全般を指します。給排水設備・電気設備・空調設備などが含まれ、設備のグレードや施工規模によって評点が加算されます。
特に注意が必要なのが以下の2つです。
一条工務店の全館床暖房
一条工務店の最大の特徴である全館床暖房(ヒートポンプ式温水床暖房)は、「建築設備」として評点が加算されます。
一般的な住宅ではリビングや一部の部屋だけに床暖房が施工されるケースが多いですが、一条工務店は全室に床暖房が標準で施工されます。施工面積が広いほど評点が上がるため、全室床暖房は評価額を大きく押し上げる要因になります。
外壁タイルとの組み合わせで考えると、同規模の他社と比べて固定資産税の評価額がかなり高くなるケースがあります。住み心地は非常に優れていますが、毎年の固定資産税への影響は購入前に把握しておくべきポイントです。
積水ハウスの全館空調(エアロハス)
積水ハウスが提供する全館空調システム「エアロハス」も「建築設備」として評点が加算されます。
一般的な住宅では部屋ごとにエアコンを設置しますが、全館空調は1台のシステムで家全体の空調を管理します。設備としての評価が高くなるため、一般的なエアコン数台と比べて評価額が上昇する傾向があります。
ダインコンクリート外壁との組み合わせで、外壁と設備の両面から評価額が押し上げられるため、積水ハウスの鉄骨系モデルで全館空調を選ぶ場合は固定資産税が相当高くなることを念頭に置いてください。
元担当者から一言:調査の現場では「設備が豪華な家ほど評価額が高い」というのは実感として強くありました。建築設備は外から見えないため、施主自身も評価額への影響を把握していないケースが多かったです。全館空調・全室床暖房を検討している方は、事前に担当窓口に評価額の目安を確認しておくことをおすすめします。
主要ハウスメーカー別:固定資産税の観点からの総評
ここまでの内容をまとめると、以下のような傾向があります。
| メーカー | 床材 | 外壁 | 建築設備 | 固定資産税への影響 |
|---|---|---|---|---|
| 積水ハウス(鉄骨) | 突板・シート選択可 | プレキャストコンクリート | 全館空調で上昇 | 外壁+設備でかなり高くなりやすい |
| 住友林業 | 挽板・突板(高品質) | サイディング・吹付け | 標準的 | 床材で評価額が上がりやすい |
| 一条工務店 | シートフローリング中心 | タイル(標準) | 全室床暖房で上昇 | 外壁+設備でかなり高くなりやすい |
| ローコスト系(タマホームなど) | シートフローリング | 窯業系サイディング | 標準的 | 評価額が抑えられやすい |
ただし、これはあくまで「固定資産税の評価額」という一点に絞った比較です。住み心地・耐久性・資産価値・メンテナンスコストなど、総合的に判断することが重要です。
また、同じメーカーでも選ぶプランや仕様変更によって評価額は変わります。あくまで傾向としてご参考ください。
固定資産税を意識した選び方のポイント
元担当者として、実際に使える具体的なアドバイスをお伝えします。
①標準仕様の床材・外壁を必ず確認する
カタログには「標準仕様」として材料名が書かれています。床材が「シートフローリング」か「突板・挽板」か、外壁が「サイディング」か「タイル」かを必ず確認してください。これだけで固定資産税の傾向がわかります。
②グレードアップのオプションは固定資産税も一緒に上がると覚える
床材を無垢材にアップグレード、外壁をタイルに変更——こうしたオプションは見た目や性能が上がる反面、固定資産税の評価額も上がります。オプション費用だけでなく、毎年の税額への影響も頭に入れて判断することをおすすめします。
③複数社を比較して「標準仕様と税額」のバランスを見る
調査の経験上、費用を抑えられた家を建てた方ほど複数社の見積もりを比較していました。同じ予算でもメーカーによって標準仕様が全然違います。カタログを取り寄せて比較することが、固定資産税の節税にもつながります。
まとめ
固定資産税の観点からハウスメーカーを比較すると、以下の傾向があります。
- 住友林業は床材が高品質な分、評価額が上がりやすい
- 積水ハウス(鉄骨系)はプレキャストコンクリート外壁+全館空調で評価額がかなり上がりやすい
- 一条工務店は外壁タイル+全室床暖房で評価額がかなり上がりやすい
- ローコストメーカーはシートフローリング+サイディングで評価額が抑えられやすい
- 全館空調・全館床暖房などの建築設備も評価額に加算される点を見落とさない
ただし「固定資産税が安い=良い家」ではありません。耐久性・住み心地・メンテナンスコストを含めたトータルコストで判断することが重要です。
固定資産税担当として700件以上の家を見てきた立場から言えるのは、後悔しない家づくりをした方ほど、最初の比較検討を丁寧にやっていたということです。複数社のカタログを取り寄せて、標準仕様・費用・税金の観点からしっかり比較してから決めることをおすすめします。
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また、具体的な間取りプランや費用見積もりまで比較したい方にはタウンライフも有効です。


