「高断熱」「高気密」といった性能の話に加えて、最近は「ウェルネス住宅」という言葉を目にする機会が増えました。共働き世帯や在宅ワークの増加で家で過ごす時間が長くなったこと、そして健康志向の高まりを背景に、体だけでなく心の健康まで意識した家づくりへの関心が広がっています。
今回は、ウェルネス住宅とは何か、具体的にどんな要素が含まれるのかを整理してみます。
ウェルネス住宅とはどんな家?
ウェルネス住宅は、断熱性能や省エネ性能だけを指す言葉ではありません。温熱環境・空気質・光・音・自然とのつながりなど、暮らしを構成するさまざまな要素をトータルで整え、住む人の心身の健康を支えることを目的とした住まいの考え方です。
「高性能住宅=省エネで光熱費が安い家」というイメージが強いですが、ウェルネス住宅はそこからさらに一歩進んで、「その家で暮らすことで、体調や気分がどう変わるか」まで視野に入れているのが特徴です。
ウェルネス住宅を構成する5つの要素
1. 温熱環境
冬場のヒートショックは、住宅内の温度差が大きな原因のひとつとされています。リビングは暖かくても脱衣所や廊下が極端に寒いと、体への負担が大きくなります。断熱・気密性能を高め、家全体の温度差を小さくすることがウェルネス住宅の基本です。
2. 空気質
24時間換気システムの性能や、建材に使われる接着剤・塗料からの化学物質(ホルムアルデヒドなど)の放散量は、室内の空気質に直結します。花粉やハウスダストを抑えるフィルター性能も、近年重視されるポイントです。
3. 光・採光
自然光を十分に取り込める間取りは、体内時計を整え、睡眠の質にも影響すると言われています。窓の配置は日当たりだけでなく、朝の光をどう取り込むかという視点でも考えると良いでしょう。
4. 音環境
生活音や外部の騒音は、ストレスや睡眠の質に直結します。寝室の配置や防音性能の高い建具・床材を選ぶことも、ウェルネスの観点では重要な要素です。
5. 自然とのつながり
庭やウッドデッキ、室内に観葉植物を置けるスペースなど、自然を感じられる要素を取り入れることも、ウェルネス住宅の考え方に含まれます。緑を眺められる窓の配置なども、リラックス効果につながるとされています。
費用面・税制面から見たウェルネス住宅
断熱等級の高い住宅や省エネ性能の高い設備を導入すると、住宅ローン控除の借入限度額や、各種補助金の対象になるケースがあります。固定資産税そのものが直接安くなるわけではありませんが、新築住宅の税額軽減措置と併せて、結果的にトータルコストを抑えられる場合があるため、性能面への投資は資産価値の観点からも検討する価値があります。
導入する際の注意点
ウェルネス住宅の要素をすべて盛り込もうとすると、当然コストは上がります。まずは「温熱環境」と「空気質」など、健康への影響が大きい部分から優先順位をつけて検討するのが現実的です。ハウスメーカーによって標準仕様に含まれる範囲が大きく異なるため、この点は必ず相見積もりの際に確認しておきたいポイントです。
まとめ
ウェルネス住宅は、断熱・気密といった性能面に加えて、空気質・光・音・自然とのつながりまで含めてトータルで考える家づくりの考え方です。すべてを一度に取り入れるのは難しくても、優先順位をつけながら、自分たちの暮らしに合った形で取り入れていくことが大切です。
複数のハウスメーカーでどこまでウェルネス要素が標準対応できるかは差が大きいため、比較検討しながらプランを進めていくのがおすすめです。
