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北向き玄関は本当に良くない?メリットと風水の真実【元役人が解説】

風水間取り 間取り
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「北向きの玄関は良くない」——家づくりを考えていると、こんな話を一度は耳にするのではないでしょうか。日当たりが悪い、寒い、風水的にも問題がある……と、なんとなく敬遠されがちな北向き玄関ですが、本当にそうなのでしょうか?

固定資産税の担当者として700件以上の新築住宅を実際に見てきた立場から言うと、北向き玄関の家でも十分に快適で満足度の高い暮らしをされているご家族はたくさんいます。大切なのは方角よりも、家族の暮らし方に合った間取りの設計です。

この記事では、北向き玄関のメリット・デメリットを整理したうえで、よく言われる「北東トイレ問題」についても冷静に考えてみます。

北向き玄関のメリット

北向きの土地は価格が安い

玄関は南向きという常識が広く浸透しているため、北側に道路が面した土地(=北向き玄関になりやすい土地)は同じエリアでも不人気になりがちです。その結果、南向きの土地に比べて数十万〜数百万円ほど安く手に入るケースも珍しくありません。

土地代を抑えられれば、その分を建物の仕様やインテリアにまわすことができます。玄関の向きにこだわらず、トータルで住みやすい家を目指す方にとっては大きな経済的メリットです。

南側にリビングを配置しやすくなる

北側に玄関を置くと、南側のスペースがリビング・ダイニング用に丸々使えるようになります。一日の大半を過ごすリビングに午後の日差しがたっぷり入る間取りは、暮らしの快適さに直結します。

逆に南向き玄関の場合、玄関ポーチや廊下が南側を占有するため、リビングに十分な採光を確保しにくいことがあります。「玄関は南向きにしたけれど、リビングが暗くなってしまった」という後悔の声は意外と多いので、注意が必要です。

間取りの自由度が上がる

南向き玄関にこだわりすぎると、間取りはどうしてもオーソドックスなパターンに限定されがちです。一方、北向き玄関を受け入れると、間取りの選択肢が格段に広がります。

たとえば、玄関からシューズクロークを通って直接ランドリールームへアクセスできる「家事動線重視の間取り」や、玄関とリビングを離して来客時にプライバシーを確保できる「ゾーニング重視の間取り」なども作りやすくなります。理想の暮らし方から逆算して間取りを考えるなら、方角よりも動線を優先するほうが後悔の少ない家づくりにつながります。

夏場の玄関が涼しい

あまり語られないメリットですが、北向き玄関は夏場の直射日光が当たりにくいため、玄関ホールが涼しく保たれやすいという利点があります。南向き玄関だと夏の日中に扉を開けた瞬間、強烈な日差しと熱気が入ってくることがありますが、北向きならそれが少ない。靴の劣化や傘の湿気なども抑えられます。

北向き玄関のデメリット

もちろんデメリットも正直にお伝えします。

冬場に寒く、暗くなりやすいのは事実です。北側は日が当たらないため、玄関ホールの気温が下がりやすく、採光窓を設けないと昼間でも照明が必要になることがあります。対策としては、玄関ドアにガラス部分を多く取り入れたデザインを選ぶ、土間部分に断熱材を入れる、明るい色の壁や照明計画でカバーするといった方法が有効です。

また、雨や雪の日に北風が吹き込みやすい点も考慮が必要です。玄関ポーチに深めの庇(ひさし)を設けることで、かなり改善できます。

風水的に良くないとは言いますが……

風水では玄関は「気の入り口」とされ、北向きは陰の気が入りやすく良くないと言われることがあります。しかし、風水はもともと中国の気候・地形・文化を背景に発展したもので、日本の住宅事情にそのまま当てはめることには無理があります。

また、風水の体系の中には「間取りで生じたマイナスをインテリアや小物でカバーする」考え方も豊富にあります。玄関に観葉植物を置く、明るい照明にする、定期的に換気して清潔に保つ——これらは風水的な観点からも、実用的な観点からも理にかなった対策です。

方角に過度にこだわるより、玄関を明るく清潔に保ち、家族が気持ちよく出入りできる空間にすることのほうが、実際の暮らしの満足度につながります。

北東にトイレを設置するのは良くない?

「鬼門の北東にトイレはNG」という話も、家づくりの場でよく耳にします。結論から言えば、これは迷信です。現代の水洗トイレにおいては、設置場所の方角で衛生上の問題が生じることはありません。

この説の起源には諸説ありますが、有力なのは次の二つです。

ひとつは「健康被害説」です。かつてトイレが屋外にあった時代、冬の夜中にトイレへ行く際に冷たい北風にさらされ、血圧が急上昇して倒れる人が多かったとされています。特に飲酒後は血管が拡張している状態から急に冷えるため、心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まります。これが「北東のトイレは体に良くない」という戒めとして伝わったと考えられます。

もうひとつは「衛生・臭気説」です。かつての汲み取り式トイレは臭気と疫病のリスクがありました。風上(北東)に置くと臭いや病原菌が家の中へ流れ込みやすいため、避けるのが賢明だったのです。

いずれも現代の密閉された屋内水洗トイレとは無縁の話です。著名な風水師のDr.コパ氏も「トイレは家のどこに置いても良くない、水回りはすべてそうだ」とおっしゃっており、北東だけが特別に悪いわけではないとも受け取れます。

トイレの配置で実際に重要なのは、生活動線(特に夜間の移動)・換気・掃除のしやすさ・音の問題です。深夜にリビングや寝室の横を通らずトイレへ行けるか、換気扇が外壁に近い位置にあるか、といった点を優先して考えましょう。

それでも方角にこだわりたい方へ

「わかってはいるけれど、やっぱり気になる」という方も多いと思います。それは自然なことですし、家づくりは一生に一度の大きな決断ですから、納得できる形で進めることが何より大切です。

方角にこだわって間取りを作るなら、ぜひプロのプランナーに相談しながら進めることをおすすめします。風水を取り入れながら機能性も損なわない間取りを提案してもらえれば、方角への不安と暮らしやすさを両立できる可能性が高まります。

間取りの相談を無料で行えるサービスを活用するのが、もっとも効率的で後悔の少ない方法です。複数のハウスメーカー・工務店からプランを取り寄せて比較すると、「こんな間取りの可能性もあったのか」という発見があります。

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まとめ

北向き玄関・北東トイレについて整理すると、次のようになります。

  • 北向き玄関は土地代が安く、南側リビングを作りやすく、夏は涼しいというメリットがある。冬の寒さ・暗さは設計と素材の選択でカバーできる。
  • 風水的なデメリットは、インテリアや清潔さの維持でかなりカバー可能。方角より「玄関を清潔で明るく保つこと」のほうが重要。
  • 北東トイレNG説は屋外汲み取り式トイレ時代の名残で、現代の水洗トイレには当てはまらない。動線・換気・掃除しやすさを優先して配置を決めるべき。

家づくりで大切なのは、方角という「昔の常識」に縛られるのではなく、自分たちの暮らし方に合った間取りを選ぶことです。迷ったときはプロに相談しながら、納得のいく家づくりを進めてください。

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