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新築住宅を建てる際の登記費用、登録免許税や司法書士への費用はいくら?

不動産登記 諸費用
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新築注文住宅を建てる上で登記というものは欠かせません。
登記とは要するに自分のものになったという権利を主張するために行うものです。

では、どんな種類の登記があって、どれくらいの費用がかかるのでしょうか?

登記費用は登録免許税と報酬額に分かれる

登記費用と一概に言いますが、実際は2つに分かれています。

いわゆる登録免許税というものがあり、これは不動産の評価額から一定の計算式をかけて算出される金額です。
そのため、どこの司法書士や土地家屋調査士に頼んでも金額は変わりません。

もうひとつが司法書士や土地家屋調査士などの専門家に払う報酬です。
これは専門家によって設定金額が違います。
手数料はもちろんのこと、法務局へ行く交通費などもかかりますし、金額は一律とはいきません。

司法書士や土地家屋調査士は、工務店やハウスメーカーがなじみの専門家に頼むことがほとんどです。
自分で探す手間は必要ありませんが、逆に言うと言い値のようなものになります。

気になる方は一度見積もりの明細をもらって、世間一般の相場と比較してもいいかもしれません。
工務店やハウスメーカーから紹介される専門家は専属になるため当然なんらかのお金を払っているらしく、割高だと言われています。

少しでも安くしたいなら調べてみる価値はあります。
なお、知り合いに専門家がいて、その人に頼みたいなら早めに工務店やハウスメーカーに伝えましょう。

登記の種類にはどんなものがある?

建物表題登記

建物を建てるときに必要となる登記です。

「この土地に私は建物を建てましたので申請します」という宣言をするための登記と考えてください。
土地家屋調査士が行います。

建物の構造、床面積、形状などを登記し、家屋番号という番号が付きます。
義務化されている登記で、これを行わないと罰則もあります。

土地に関しては、一度誰かのものになっているものを買うわけですから必要ありません。

所有権保存登記

建物の所有権を第三者に示す登記です。

つまり「今回建てたこの建物は私のものです」と権利を主張するために必要な登記となります。

表題登記は国(法務局)に対しての宣言みたいなものですが、これはすべての人に対して宣言するものです。

なお、住宅ローンを組む際には必ず必要な登記です。

所有権移転登記

移転と書いてあるところからわかるように、持ち主の権利異動を示す登記です。

新築の建物には必要ないですが、土地に関して必要となります。

自分の親などが持っている土地に家を建てるなら不要ですが、不動産業者などから土地を買ったのであれば必要となります。

「持ち主がこのたび、◯◯不動産から私に変わりました」ということを示す登記となります。

抵当権設定登記

住宅ローンを利用する際に必要となる登記です。

簡単に言うと、住宅ローンをもし払えなくなった場合、「銀行があなたの建物をもらいますよ」という権利を設定されます。

住宅ローンの支払いが終わると銀行から書類がもらえます。
その書類を持って「抵当権抹消登記」を行えば、晴れて建物はあなたのものとなります。

登記費用の相場は?

登録免許税

登録免許税については基準が決まっています。

登記の種類 登録免許税
建物表題登記 なし
所有権保存登記 固定資産税評価額×0.4%(0.15%)
所有権移転登記(土地) 固定資産税評価額×2.0%(1.5%)
所有権移転登記(建物) 固定資産税評価額×2.0%(0.3%)
抵当権設定登記 借入額×0.4%(0.1%)

カッコ内の数字は軽減税率です。
軽減税率を適用するには建物が50㎡以上の大きさで、新築であることなどが条件となります。
このあたりはまず問題ないでしょう。

軽減税率の適用期間は令和6年3月31日までとなっていますが、この手の特例は更新されていくことが多いのであせらなくてもいいと思います。

ところで、「固定資産税評価額」という言葉が出てきていますが、これは市町村が決めている土地や建物の税額の基準となる額のことです。

土地に関してはすでにあるものですが、建物に関しては市町村の担当者が家屋評価を行ってから決まるもので、新築で登記をする時点では存在しません。

そのため、各都道府県の法務局が建物の構造別に独自で決めている1㎡あたりの額があります。
この数字を基準に課税されることになります。

参考までに東京都の法務局が設定している額をリンクしておきます。
※基準表というPDFを見てください。

不動産登記における評価額のない建物の課税標準について:東京法務局

額については都道府県によって違います。
都会ほど高いと考えて間違いないです。

なお、登録免許税は一回だけかかる税金です。
固定資産税のように毎年かかるものではありません。

仮に評価額が1000万の新築住宅で500万のローンを組んだ場合で計算してみましょう。
所有権保存登記 1,000万×0.15%=15,000円
所有権移転登記 1,000万×0.3%=30,000円
抵当権設定登記 500万×0.1%=5,000円
合計5万円ということになりますね。

司法書士や土地家屋調査士にかかる報酬費用

こちらは基準が何もないので一律ではありません。
一般的な相場を示しておきます。

登記の種類 最安値 全国平均 最高値
建物表題登記 40,000円 83,659円 145,000円
所有権移転登記(売買) 30,894円 51,832円 86,940円
所有権保存登記 14,654円 25,462円 43,627円
抵当権設定登記 27,290円 39,712円 61,883円
抵当権抹消登記 9,530円 15,864円 27,522円

上記の数字は、日本土地家屋調査士会連合会が令和元年に調査した結果日本司法書士会連合会が平成30年に調査した結果を参考にしました。

仮にすべての登記を行うとして全国平均の数字を足すと、全部で216,529円となります。
ですが、地域差はあるようですし、あくまで目安と考えてください。

登記はしなくてもよい?

建物に関して言えば、実は表題登記以外はしない人もいます。
表題登記は義務ですが、あとはしなくても罰則があるわけではありません。

現在、所有者がわからなくて国や市町村が困っている土地や建物が多いので義務化の動きはあるようですが……

ただし、登記をしない人というのは、住宅ローンを借りず、現金で家を買えるようなお金持ちだけです。
住宅ローンを借りる場合はまず不可能です。
銀行が許しません。

あと、登記をして権利関係をしっかりしておかないと建物がだまし取られる可能性もありますし、相続の際に揉めることになります。

何十年かして、売りたいときが来たとき、誰が権利を持っているのかわからないと当然揉めます。

今は仲がいい家族でも、みんなが年をとって亡くなって次の代になったときまで、仲がいいとは限りません。
現実的には登記をしたほうがいいでしょう。

自分で登記はできる?

時々、自分でされる方を見かけることがありました。
今の時代、何かとインターネットで情報が入りますし、法務局も一応尋ねたことには答えてくれます。

ですが、何度も法務局やら役所を書類をそろえるために訪問しなければなりませんし、専門的な知識がないと損をすることさえあるかもしれません。

時間と手間をかけても、かかるお金を減らしたいと考える方なら試してみてもいいかもしれませんが、こちらも現実的には専門家に任せるほうが妥当かと思います。

まとめ・登記費用や登録免許税は結構かかる

簡単に計算してみましたが、大体専門家への報酬が20万円前後、登録免許税が5万円から10万円というところが目安となるでしょうか。

決してお安い価格ではありません。
専門家への報酬は相見積もりを取るなどすれば安くなる可能性がありますので、信頼できそうな司法書士や土地家屋調査士を探してみるのもひとつの方法です。

自力で行う気力と時間がある方は挑戦してみてください。